目次
はじめに
投手にとって、フォーム作りは球速やコントロールだけでなく、ケガの予防にも大きく関わります。
その中でも今回は、特に重要な「トップ」と呼ばれる動作と、肘外反によるケガの関係について書きます。
トップとはうまく言語化しにくくて
一流投手のコメントから
- トップまではコントロールできるが、リリースはコントロールできない」(ダルビッシュ有)
- 「トップの位置が決まれば、あとは勝手にボールが行く」(田中将大)
- 「トップが遅れるとリリースがバラバラになる。もう直せない」(山本由伸)
トップというのは、「自分が意図して止まれる最後のポイント」という意識が非常に強く、
ここでフォームが決まっていれば加速〜リリースは自動的にスムーズになるという認識を持っています。
トップとはどの動作なのか?
「トップ」は、前足が着地した瞬間の腕の位置と形を指します。
このとき意識しておくべきポイントは次のとおりです。
- 肘が肩のラインと同じか、少し高い位置にある
- ボールを持った手は打者とは反対側(後方)を向いている
- 胸はまだ打者方向を向かず、体幹のひねりが残っている
この状態を作ることで、次の腕の振りにつながるスムーズで効率的な動きが可能になります。
トップが崩れるとどうなる?
トップがうまく作れない場合、例えば
- 肘が下がる
- 胸が早く開きすぎる
こうした崩れ方をすると、腕の振りが不自然になり、次のようなリスクが高まります。
- 投球軌道が安定しない
- 肘や肩に負担がかかる
- ケガをしやすくなる
肘外反とは? ケガにつながる原因
投球時、肘が外側に反る力(肘外反)が発生します。
これが強すぎると次のような障害につながります。
- 内側の靭帯が引っ張られ、損傷(内側側副靭帯損傷・UCL損傷)
- 外側が圧縮され、骨や軟骨が損傷(離断性骨軟骨炎など)
- 肩まで負担が波及し、SLAP損傷などの肩障害
つまり、肘外反は肘と肩の両方にケガを引き起こす原因となる重要な力です。
まとめ
- トップは投球フォームの中でとても重要なポイント
- 良いトップを作ることで、肘外反の強さを抑え、ケガを防ぐことができる
- ケガの予防と安定した投球のためには、トップを正しく作る意識が不可欠
普段のキャッチボールや練習から「トップ」の位置と形をしっかり確認し、投球フォームをより良いものにしていきましょう。
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