感覚のズレが動作を狂わせる──空間感覚と神経系の再統合

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感覚のズレを作るのは視覚だけではない

“視線がブレる” → “視覚トレーニングをしよう” という図式がありますが、実際には、視覚そのものだけでなく、 **後頭下筋群・顎関節・足底・三半規管などの“感覚受容器”**が、 前庭神経核〜小脳〜中脳〜大脳といった神経ネットワークに強く影響しています。

感覚の情報ネットワーク(ざっくり図式)

【末端の感覚受容器】

後頭下筋群 / 顎関節 / 足底 / 三半規管 / 視覚

【前庭神経核】

【小脳(とくに前庭小脳)】

【中脳(姿勢制御・眼球制御)】

【大脳(体性感覚・運動出力)】

各受容器の役割とズレたときの影響

部位受容器の役割混乱すると?
後頭下筋群頸部の位置・角度を脳に伝える首と頭の動きがズレ、視線の安定性低下・頭痛
顎関節(咀嚼筋)咬合圧・頭部の安定に寄与頭部バランスが崩れ、視線や重心が不安定に
足底(足部アーチ・足趾)接地感覚・支持性接地タイミングや重心移動の不安定化
三半規管(前庭器)回転・加速度情報頭部の動きに伴う平衡感覚が不安定
視覚系固視・追視・サッケードなど情報のブレ・空間のゆがみ・反応遅延

感覚のズレが引き起こす現象

  • 姿勢が安定しない
  • 頭部の位置感覚がずれる(=視線がブレる)
  • 「どこにいるのか」「どこに投げるか」の空間感覚に誤差
  • 無意識の補正動作や筋緊張増加が起きる
  • 結果的にパフォーマンス低下や慢性障害へ

キーワード:「感覚の統合と優先順位」

  • 小脳は“信用できる感覚”を基準に動作制御を組む
  • しかし感覚が混乱すると、“戦略そのもの”が組めない
  • だからこそ:

まず「正しい感覚」を整えることが最優先!

まとめ

  • 「目が悪いから視覚トレーニング」ではなく、
  • 「どの感覚がズレているか」→「どこに優先して入力すべきか」を見極める

これは単なるトレーニングではなく、 “空間と動作をつなぐ中枢神経系”の再教育的な考えです。

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