──その見極めと感覚的理解
目次
きっかけは、フォームの“違和感”から
ピッチャーの投球フォームを見ていて、「トップ以降、急に詰まる」「リリースで力む」「視線が一瞬ブレている」など、 本人も気づいていない“違和感”を感じることがある。
そんなとき、自分の中でふと浮かんだのが「これは目と神経の問題かもしれない」という視点。
でも実際に「視覚機能が野球肘に関係しているのか?」をどう判断すればいいのか。 このブログではそんなことを考えながら、気づきをノートとして整理したもの。
視覚機能が関係しているかを判断には
目(視覚機能やVORなど)が野球肘などの障害に関与しているかどうかの判断は、結論から言うと:
✅ 「やってみないとわからない」が大前提です。 ただし、いくつかの観察ポイントや評価指標で“可能性”を高く予測することは十分に可能かも。
以下はその判断の流れとして、現場で整理できるステップです。
📌 ステップ1:動作フェーズの“詰まり”を観察する
- トップ以降、動きが詰まる・腕が遅れる・タイミングが崩れる
- 頭の動きと体幹の回旋が一致していない
➡︎ → 小脳やVORのエラーの可能性あり
📌 ステップ2:視覚/VORチェックを行う
- 固視・サッケード・追視など → 視覚系(意識的制御)
- ヘッドターン固視・歩行中の固視 → VOR系(無意識・反射)
➡︎ → 問題があれば、神経連携の乱れが疑われる
📌 ステップ3:補正動作(末端主導)をしていないか観察
- 肘や手首だけで調整しようとしていないか?
- 「投げさせられている」自然な流れがあるか?
➡︎ → 視覚-前庭-小脳系の“入力ズレ”が末端に負担をかけている可能性
「追視+VORミックス評価」の感覚的理解で
頭を動かしながら、動くものを目で追えるか?
この評価は:
- 小脳による“なめらかさ”
- VORによる“視線の安定”
- それらの“同時協調”をチェックできる
💡 わかりやすく言うと:
- 「ペンを目で追える?」→ 追視(小脳)
- 「頭振っても的を見続けられる?」→ VOR(前庭反射)
- 「それ両方を同時にできる?」→ 協調力(神経統合)
異常があれば:
- フォームの詰まり
- 無意識の視線ズレ
- ターゲットの再捕捉が遅れる → こうした要素が“野球肘”や末端障害の負担要因になっている可能性がある
まとめ
目の機能が肘に関係している」とは断定できない。
でも、神経系のズレによって投球動作全体のタイミングや滑らかさが崩れ、その負担が肘に集中しているという“流れ”は十分にあり得る。
だからこそ、評価は「眼球運動ができているか」ではなく、
👉 動作と神経の“切り替え”がスムーズかどうかを見る感覚が大事。
これは、自分が臨床と現場で感じた「目に見えない違和感」に対して、少しだけ答るかもと思った瞬間の記録です。
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